ジェルトロン開発者・田中啓介のブログです。

2016年10月21日金曜日

「改善する強い意志」

今年は世界的な観点で様々な事象を見たとき、歴史に残るような改善を求められる事態が発生するであろうとの予感を持っていた。この機会を謙虚に受け止め勇気をもって改善を実行に移すことが大切であると感じている。
例えば日本においては、天皇陛下の生前退位は歴史的な改善と言えると思う。これは陛下の熟考の末の強い意思表示によって実現するものと思う。
ここで、2020東京オリンピックについて私論を述べさせていただくと「辞退」するべきではないかと思う。「今さら何を言うか」とのお声もあろうが近未来の経済尺度にとらわれない正しい日本の成長を考えたとき、辞退という選択はまさに改善に値すべきことだと思う。理由は幾つかあるが、予算を見た場合当初の4倍以上の資金が必要との試算が報道されている。一般的な企業において一つの事業を進める上で当初の予算の4倍の資金を必要とするということになった場合、ほとんど実行しない判断を下すものである。特に金融機関からの資金調達が前提なら、金融機関が追加融資を認めることは不可能に近いことである。
またオリンピックが終わってからの施設維持費と長期的修繕費を考えると、このまま実施に向けて突き進むことは将来に大きな負の遺産を残すことになるのは明確である。さらに世界が注目している福島原発の放射能汚染水について、安倍首相は「完全にシールドされており一切外に流れ出ない」と言っていたが、今日現在も流出し続けているのが現状であり、虚偽の説明によってオリンピックを誘致したと言っても過言ではない。
そしてオリンピックの施設建設のために多くの土木建築の従事者が必要であるため、福島復興のための日当よりかなり高額な給与を準備していることで復興の従事者の多くが東京に流れ、遅々として復興が進まない現状がある。福島の被災者の人々にとってオリンピックを心から喜ぶことは難しいと思うが如何であろうか。今こそ勇気をもって辞退という改善策を実施したなら、将来において世界的に評価される勇気ある改善と言われると思う。
間違いである行為だと気づいたとしても改めることができず突き進むことを悪行と称するならこれを止める強い意志が大切であると思う。
チベット仏教の高僧ミラレパは「善行は悪行を成すよりも強い意志が必要である」という言葉を残している。
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